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1988年 12月の手紙
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朝晩の風もすっかり冷たくなって、もう12月。あちこちで雪の便りが聞えてきます。
12月といえばクリスマス！そう思うと、なんとなく心がウキウキしてくるのはなぜでしょう？
もうサンタクロースの叔父さんに会える年齢ではないし、その上、このところ私にとってクリスマスといえば、愛を語らうカップルを横目に、ほとんどサンタクロースの叔父さんの気分で、
「何とかロマンチックなクリスマスを皆様にお届けしたい・・・」
なんて考えたりする、唄い手としては、とても幸せ（？）な忙しい日なのです。
それでもクリスマスと聞くと、やっぱり心が弾んできます。それはきっと、まだサンタクロースを信じていて、イヴの夜ベッドに入るとき、明日の朝目を覚ましたとき、枕元に何が置かれるのかしら？と思いながら、なかなか眠れなかった、あの子供の日のあの夜の気持を思い出すからかもしれません。そうすると、心のなかに、何か暖かな気持が広がってくるのです。
11月に訪れたパリでは、もうシャンゼリゼ通りの街路樹にイルミネーションの飾りつけが始まっていました。それはまるで映画のなかのシーンのようで、準備が整って、そこに光の道が走ったら、本当にサンタクロースがやってくると言われても信じてしまいそうな光景でした。
いろいろな思いと一緒に、今年も間も無く終ります。私にとって今年は、人生のなかで迎える大きな節目の一つだったように思います。たった10日間でしたが、11月のヨーロッパ旅行は日常の生活を離れて、様々な思いにじっとひたることができました。
また、これから新しく一歩一歩、歩いていくつもりです。
今年一年、本当に有り難うございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。
寒くなって参りました。お風邪など召しませんようお気を付けて、素敵なクリスマスをお迎えください。
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1988年 11月の手紙
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10月も後半になって、やっとさわやかな秋の日がやって来ました。夕暮れ時の空を見上げると、なつかしいイワシ雲が夕焼けに染まってとってもきれいです。
♪タ焼けこやけの赤とんぼ・・・♪
なんて、思わず口ずさみたくなってしまったりします。やっとやって来た、そんな秋の日に少し心引かれつつ、ヨーロッパへと旅立ちます。この手紙がお手元に届く頃は、うらぶれたポルトガルの酒場でファドを聞いているかもしれません。
今回の旅行は、ギリシャ、ポルトガル、イタリア、フランスと駆け足旅行ですが、たっぷりと音楽を聞いてくるつもりです。いい歌をたくさんさがしてきますので、楽しみにしていてください。
この旅から帰ると、私の人生の新しい旅への出発です。『鳩ポッポ』で過ごした6年間の思い出と様々な出会い、そしてこれからの日々への期待と不安。いろいろな思いが胸いっぱいに広がってきます。そんな思いを抱き締めて、ヨーロッパの街角を歩いてみるつもりです。
10月26日付けで、『鳩ポッポ』を退社しました。これからは、毎週1回金躍日だけの出演になります。長い間、暖かい目で応援してくださった皆様に、心から感謝しております。本当に、有り難うございました。これからも、私なりにじっくりとシャンソンと向きあって、歌い続けていくつもりです。どうぞ宜しくお願いします。
急に寒くなってしまいました。風邪が流行っているようです。どうか、お身体にお気を付けてご自愛ください。11月5日には帰国し、8日から歌い始める予定です。また、お会いできる日を楽しみにしています。
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1988年 10月の手紙
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短い夏が過ぎ、待ち焦がれていた秋がやって来たのに、毎日雨ばかり。秋の長雨というものの、9月は、雨の降らない日がなんとたった2日しかなかったそうです。10月こそ、日本晴れのさわやかな青空を、いっぱいいっぱい欲しいですね。
秋を求めて、この10月末からヨーロッパを回ります。今回は、鳩ポッポのメンバーと一緒に10日間、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、そしてフランスと、少し欲張りな駆け足旅行です。大好きな、そして3年ぶりのパリにはたった3日間しかいられません。でも、秋のパリは初めてです。どんなに素敵なことかと、眼を閉じて、紅葉した街路樹に彩られたノスタルジックな街角を思い浮かベ、今から楽しみにしています。そしてもちろん、あのおいしいワイン、チーズ、パンの味も・・・。
この旅行を最後に、鳩ポッポのレギュラーを降りることに致しました。思えば六年間。ピカピカの一年生歌手だった私を、今日まで育んてくださった、斉藤さんを始めとする鳩ポッポのメンバー、そして、お客様たちへの感謝の気持でいっぱいです。
本当に有り難うございました。
鳩ポッポには、11月からは、毎週金曜日だけの出演です。
シャンソンを歌い出して八年になります。やっとこの頃、自分の歌の方向が、ほんの少しですが見えてきたような気がしています。しばらくは、この小さな光を大事に暖めて、ゆっくりと勉強しながら歌っていくつもりです。また、新しい第一歩です。これからも、どうぞよろしくお願い致します。「結婚するからでしょう」とよく聞かれるのですが、残念ながら、そちらのほうはまだまだ先のようです。シャンソンというちょっと手強いジゴロ（？）に捕まっているので・・・。
＊10月の外部出演の予定＊
10日（月／祭日）ベル・エボック
13日（木）シャンパーニュ
19日（水）中川
23日（日）ベル・エボック
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1988年 8月の手紙
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やっと本格的な夏がやってきました。
暑中お見舞申しあげます。
お元気ですか？
パリ祭も終り、今ごろパリでは
夏のバカンスの話題でもちきり！！
サントロペの別荘にいく人
リヨンからイタリアへ旅立つ人
ニースからエーゲ海にヨットをうかべる人
1年で1番長い休暇を愛する人と過すため、人々はパリを離れます。
とっても素敵な習慣ですネ
うらやましいナァーと思うのですが
日本ではまだまだそうはいかないのが現実のようです。
私もこの夏は東京です。
大好きなシャンソンを歌っているのですから
たとえ、バカンスにいけなくても・・・？？
やせがまんをしています。
それにシャンソンの中でなら行こうと思えば
サントロペにもイタリアヘも二一スヘも、そして
すてきな恋の旅へも自由自在です。
暑さにおつかれになったら、シャンソンでも聞いて、
小さな旅をしてみるのも・・・いかがでしょう。
お待ちしております。